ほんとうに無謀だと思ってました。
一人で舞台に立つということ自体が不安だし、観てられないものになるんじゃないかって。

痛々しいのはやだし、そりゃ、『下手の宣伝してどうする』と言われるのもわかる

そんな不安はもちろん人に伝わるし、不安の連鎖で、まわりからのプレッシャーも勝手に感じて、ずっと泣きそうな気持ちで、とにかくただただ稽古をしてました。

先日事務所に向けて一人芝居を公演いたしました。

稽古で辿り着いた場所、目指した方向には行けず後悔の残る結果でした。
だけど、とても前向きに倒れました。目指すべき先がわかる。

そして、とりあえず最後まで立つことは出来た。

ようやく、一人で舞台に立つことができる。数ヶ月かけてようやくです。

とりあえずいまなら、やれる範囲内でそれなりにやれるのかもしれない。
そう思えるまでも、やっとでしたが…

だけど、そこでとりあえず公演しても、頑張ったで賞。褒めてもらえるかもしれないけど、素晴らしくはない。

今回私が求めているのはそこじゃない。

酒井香奈子の一番頑張った姿をみせたいんではないんです。

最高の作品を届けたい。

目指すのはもっともっともっと上です。

こわい。
私にはかなりな高望みです。だけど望まなきゃ一生辿り着かない。
望んで望んで本気で準備をして挑む。

本気で、観てくださった方の一生の記憶になる永遠の作品を作りたいんです。

そうしなきゃ、永遠に残る作品作りをしている素晴らしい世界で、私は必要とはされない。
私はその世界に居たいのです。

だから、ドキドキしながら精一杯高望みをしています。


2014-11-24-10-12-47



酒井香奈子一人舞台
『ギルムルの花束』

汚いテントの、薄明かりの中、ベトベトの暑さに苛立つ酔っ払いのヤジを浴びながら、空中ブランコ乗りや猛獣使いたちが命懸けの芸を披露する。
あ、そろそろ私が呼ばれる番だ。
ゼニババが、ダミ声高らかに私のことを紹介するや、さっきまで白けていた客席がワーッと盛り上がる。
もちろんそれが興味と下世話な関心に満ちたものであることくらいは私でもわかる。
さぁ行っておいで、と背中を押された私は、もう尋ねたりしない、「何をすればいいの?」なんて。
私は居るだけでいい。居るだけで、みんなは大笑いをし、割れんばかりの拍手をくれるのだから。

出演 酒井香奈子

脚本・演出 末原拓馬(おぼんろ)

公演日程

2014年12月27日(土)〜12月28日(日)
12月27日(土) 19:00開演
12月28日(日) 14:00開演
12月28日(日) 18:00開演

受付開始・整理券配布・当日券販売は開演の60分前

開場は開演の30分前です。

なるべく開演の5分前までにご来場ください。

料金
前売・当日:3,500円


チケット発売中
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010163P0108P002142458P0050001P006001P0030001