私が知る限りの環境では、
独学が多い日本の俳優が初めましてで寄せ集められるとそれぞれのテクニックや経験値や手法が基本バラバラです。
そんな中、共通言語を持てる環境で演劇をやるのはとても楽しくて上等な気持ちで挑めるので好きです。
はじめから高く高いまだ見ぬ目的地に向かって試行錯誤が出来るのでとっても建設的。

どんな現場でもまず最初に、現場のルールを理解するようにしています。現場でその作品においてのルールを全体に共有してもらえると、とてもやりやすい。
リアリティとエンターテインメントのレベルやスピード感やボリューム感。この演出家のやり方は?現場の通常は?をいつも探ります。

はじめての現場だと、全く知らない 当たり前 がそこにあったりするから、
自分のルールは二の次にしてその現場のルールを探るために 自分の稽古以外を見学に行ったりします。
最初が一番ドキドキする。

ただ、それなりに自分の中でも大切な方法やルールは蓄積されていて、
その大切なものが現場とハマるととても自由になれます。

そこはかも演出家の西村さんは俳優の勉強を良くされている方で、共通言語を持ちやすくやりやすい現場でした。

さて、次回 黒薔薇少女地獄の演出家 太田守信さんは演出家としては3度目のタッグです。
はじめての黒薔薇は 雑遊でやった 緋色、凍レル刻ノ世界、永遠 での主演。

もりのぶさんは、みんなに魔法をかけました。
全員が共有するルールは、俳優は見なくても見えるし話さなくても話せるしつまり、魔法使いであることを信じること。
そしてその為の方法や証明をしていった結果
目に見えないものを当たり前に信じる魔法使いたちが信じた世界がつくりあげられました。
ダーク方面に強い物語だったから、支配力の強い芝居になりました。

その作品はこちら

そりゃあ、面白いです。
わたしが一番信じていたでしょう。
みんなをわたしがコントロールしていると信じていたし、誰かが噛めばわたしのせいだし、わたしがうまく繋がれば全てうまくいくと思っていた。

その根本の感覚はいまも変わらないですが。笑
いまはそのわたしを支えてるのがまわりだ、という意識が強くなったから、委ねるバランスが現場によってかわる、という感じです。


そんな共通言語と共通認識を持った仲間と何度も作品を作っていけるのはとても贅沢です。
あづさとはダブル主演を3本演りました。
たいした会話はいらないし、芝居中であれば、相手の意思や状態はお互い手に取るように 手に取る以上にわかるでしょう。
初日の私服が完全一致するくらいには意思疎通しちゃうでしょう笑
IMG_8125

そんなあづさと離れて、お互い座長をやります。

堕天使は薄い本を閉じて は2度目の再演です。
初演を観に行った時、とっても楽しかったけれど絶対やりたくない!ともりのぶさんに伝えて帰りました笑

だって、さっき書いた演劇の魔法を くだらないながら最高に面白くするためだけに全力で使ってたから。
この言葉たちや存在たちを疑いなく正しくお客様に伝えるには
すごいテクニックと魔法力を駆使しなければ伝わらない。
すごく大変!すごく大変なのに、その大変さが1ミリも伝わらない笑笑

これは…やりたくなーい!と、なるわけです。

だけど、こんなに試されることもない。
俳優としては難しいけれど、何も気にせず楽しんでもらえたら 勝ち! 今こそ、このくだらなくておバカな濃厚接触演劇を…すごく気をつかないながら丁寧にやりきれたら、また次のステージがみえるのかもしれません。


ダブル主演の相手役は 有栖川姫子さん
また大切なキーパーソンなポジションに 長島光那さん。

オファーを受けたときに相手役がどなたになるのかを確認させてもらっていました。

姫子さんは出演舞台を何度か観ていて、
プロデュース能力やキャラクターの強さや本人の美しさにずっと興味があったのと
最後に観たお芝居では難しいポジションを粛々とこなしていて、あぁ、お芝居の場で近くにいたらあれこれと一緒に悩めるかもしれないなと思った記憶があり
彼女と芝居したいなと思っていたのと、
するなら、攻めにまわりたいなぁと思ったのでした。
さて、どんなふたりになるのでしょうか。

IMG_5016
IMG_5015
こんとき私髪長!

長島光那さんは元同じ事務所で知り合いも多く遠回りに知っていて、
共に戦ってくれる俳優に活躍している強いひとがいるという安心感もあり、
このキャストで めいっぱい演劇で遊べたら楽しそう!!と思ったのでした。


さて、もう間も無く、顔合わせがあり、稽古がはじまります。
準備しつつ、軽やかな気持ちで、挑みたいと思います。

反対チームはあづさが座長です。
離れていても、相棒ですから。意識してます。
勝ち負けがあるわけじゃないですが、
彼女がハマり役と言われている作品に別キャストで挑むのですから、我らは挑戦者です。
負けぬように全力で挑みましょ。

是非、お互い観て頂いて、
あなたの中の、この物語の楽しみ方を見つけていただけたら幸いです。


E-Stage Topiaプロデュース公演
『堕天使は薄い本を閉じて2020』

IMG_0652
IMG_9961



【日時】2020年4月30日(木)〜5月10日(日)
【劇場】上野ストアハウス
【脚本・演出】太田守信(黒薔薇少女地獄/エムキチビート)
【総合監修】若宮亮(エムキチビート)

【あらすじ】
豊洲奈那はかなりニッチな同人作家。彼女の頭の中は鉄道擬人化BLの妄想でいっぱいだ。
「いや、マジで半蔵門線と銀座線はホモだからっ」
そんなヲタ活を手伝う新橋美愉は、密かに奈那への淡い気持ちを抱いてる。どうしたら奈那
は無機物のホモより自分に振り向いてくれるだろう……。
「奈那、私はね……貴女とゆりかもめの関係で結ばれたい!!」
2018年、2019年5月に上演して大好評を得た今作品が、1年の時を経て黒薔薇少女地獄公演でおなじみのキャストも出演し、E-Stage Topia公演として更にアップデート!

薔薇なんだか百合なんだかなラブコメディ、発車します!!


【キャスト】

【TEAM内回り】     【TEAM外回り】
榎あづさ         さかいかな
神村風子         有栖川姫子
桜井あゆ         長島光那

山川浩太郎        金純樹
柿原悠希         甲斐優風汰
近藤哲也         黒川一将

森本圭吾         金川翔
秋月栄志         宮崎利貴

雪入みさき       中尾瑞希
えなえ         梶愛海
飯吉優         柚木那夏         
羽田亜未        時田笑里
神藤ゆずか       有栖沙
八ッ橋さい子      井上麗夢

永田祥子        永瀬葵子
栗原みさ        鈴木千菜実



【タイムテーブル】
4月30日(木)19時〜内
5月 1日(金)19時〜外
   2日(土)14時〜外/18時〜内
   3日(日)14時〜内/18時〜外
   4日(月)14時〜外/18時〜内
   5日(火)14時〜内/18時〜外
   6日(水)14時〜外/18時〜内
   7日(木)19時〜外
   8日(金)19時〜内
   9日(土)14時〜外/18時〜内
  10日(日)13時〜内/17時〜外


【チケット】(全席指定席)
特典付きシート(全キャストサイン入りパンフレット付き)
(※座席ブロック・列指定可)
前売り/当日8000円
A席
前売り/当日5000円

【さかいかな扱いチケット予約フォーム】



【スタッフ】
【脚本・演出】太田守信(黒薔薇少女地獄)
【演出助手】神藤ゆずか
【舞台監督】逸見輝羊(STAGE COMPANY)
【照明】河上賢一(ラセンス)
【音響】堀江潤
【音楽】永井カイル
【舞台美術】古謝里沙
【デザイナー】北田岳史
【フライヤーイラスト】愛乃嘘子
【カメラマン】中塚健仁
【票券・制作】清水瑞希(企画演劇集団ボクラ団義)
【当日制作】小林博明(エムキチビート)・淺田妃奈子(MIMOZA)
【プロデューサー】若宮亮(エムキチビート)・清弘樹(三栄町LIVE)

【企画・製作】E-Stage Topia